AWS認定資格の中でも特に人気が高い「AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA-C03)」。
受験を考えている方の中には、次のように考えている方も多いでしょう。
- AWS SAAの過去問を解いてから受験したい
- 本番と同じ形式の問題で練習したい
- どのサービスが頻出なのか知りたい
- 問題集を何周すれば合格できるのか知りたい
結論からいうと、AWS SAAでは、一般的な国家試験のように本試験の過去問が公式公開されているわけではありません。
ただし、試験範囲に対応した模擬問題を繰り返し解き、選択肢ごとの根拠まで理解すれば、過去問がなくても合格に必要な実力を身につけることは可能です。
この記事では、AWS SAAの過去問事情、SAA-C03の出題範囲、問題演習の進め方、合格に近づくための勉強法を解説します。
目次
AWS SAAとは
AWS SAAは、正式名称を「AWS Certified Solutions Architect – Associate」といい、AWS上で安全性、可用性、パフォーマンス、コスト効率に優れたシステムを設計する能力を証明する資格です。
現在の試験コードは「SAA-C03」です。
AWS公式による試験概要は、次のとおりです。

最新の試験情報は、AWS公式のSAA試験ページで確認できます。
AWS SAAの過去問は公開されている?
AWS SAAでは、本試験で出題された問題と解答が、そのまま公式の過去問として公開されているわけではありません。
AWSは、本試験問題の内容を第三者に開示・共有することを禁止しています。実際の試験問題を不正に収集した、いわゆる「ダンプ」と呼ばれる教材の利用にも注意が必要です。
AWSは、実際の試験項目を不正に開示したコンテンツへのアクセスについて、認定プログラム規約に違反する可能性があると説明しています。
そのため、「AWS SAA 過去問」として販売されている教材を選ぶときは、次の違いを理解しておきましょう。

安全に学習するなら、AWS公式教材または試験範囲に基づいて独自作成された対策問題集を利用しましょう。
詳しくは、AWS認定試験のセキュリティに関する公式説明も確認してください。
AWS SAA-C03の出題範囲
SAA-C03では、単純なサービス名の暗記ではなく、要件に応じて適切なAWSサービスや構成を選べるかが問われます。
AWS公式の試験ガイドでは、出題範囲が次の4分野に分けられています。

出題範囲の詳細は、AWS公式のSAA-C03試験ガイドで確認できます。
1. セキュアなアーキテクチャの設計
セキュリティ分野では、IAM、暗号化、ネットワーク制御などが問われます。
特に理解しておきたい項目は次のとおりです。
- IAMユーザー・グループ・ロール・ポリシー
- 最小権限の原則
- AWS KMSによる暗号化
- S3バケットポリシー
- セキュリティグループとネットワークACL
- AWS OrganizationsとSCP
- AWS WAF、Shield、Secrets Manager
- VPCエンドポイント
「アクセスさせたくない」「認証情報を保存したくない」「インターネットを経由させたくない」など、問題文の要件から適切なサービスを選ぶ力が必要です。
2. レジリエントなアーキテクチャの設計
レジリエンスとは、障害が発生してもサービスを継続・復旧できる能力です。
主な出題テーマには、次のようなものがあります。
- マルチAZ構成
- Auto Scaling
- Elastic Load Balancing
- Route 53のルーティング
- Amazon RDSのマルチAZとリードレプリカ
- S3のレプリケーション
- AWS Backup
- SQSやSNSによる疎結合化
- 災害対策とバックアップ
「単一障害点をなくす」「障害時に自動復旧する」「データ損失を抑える」といった要件が頻繁に登場します。
3. 高パフォーマンスなアーキテクチャの設計
この分野では、ワークロードに応じたコンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワークサービスの選択が求められます。
- EC2インスタンスタイプ
- EBS、EFS、S3、FSxの使い分け
- RDS、Aurora、DynamoDBの使い分け
- ElastiCache
- CloudFront
- Global Accelerator
- Lambda
- コンテナサービス
- Direct ConnectとSite-to-Site VPN
単にサービスの機能を覚えるだけでなく、「大量アクセス」「低レイテンシー」「共有ファイル」「予測不能なトラフィック」などの条件と結びつけて理解しましょう。
4. コスト最適化されたアーキテクチャの設計
AWS SAAでは、要件を満たすだけでなく、費用を抑える構成を選ぶ問題も出題されます。
- オンデマンドインスタンス
- Savings Plans
- リザーブドインスタンス
- スポットインスタンス
- S3ストレージクラス
- S3 Lifecycle
- NAT Gatewayのコスト
- サーバーレス構成
- AWS Cost Explorer
- AWS Budgets
問題文に「最もコスト効率が高い」「運用負担を最小化する」と書かれている場合は、必要以上に複雑な構成を選ばないことが重要です。
AWS SAAの問題は暗記だけでは解けない
AWS SAAの問題では、複数の選択肢が一見正しそうに見えることがあります。
たとえば、問題文で次のような条件が提示されます。
- 高可用性が必要
- 運用負担を減らしたい
- コストを最小限にしたい
- 数百万件のリクエストに対応したい
- データを暗号化したい
選択肢の中に技術的に実現可能な構成が複数あったとしても、すべての条件を最も適切に満たす答えは通常1つです。
そのため、問題を解くときは、次の順序で考えましょう。
- 問題文が求めている最終目的を確認する
- 可用性・性能・セキュリティ・コストの条件を抜き出す
- 明らかに要件を満たさない選択肢を除外する
- 残った選択肢から最も運用負担の少ない構成を選ぶ
「構築できるか」だけではなく、「AWSのベストプラクティスとして最適か」を判断する必要があります。
AWS SAAの問題集は何周すればよい?
目安としては、同じ問題集を最低3周することをおすすめします。
1周目:現在の理解度を確認する
最初から高得点を取る必要はありません。
間違えた問題に印を付け、どの分野が苦手なのかを確認します。正解数よりも、知識の穴を見つけることが目的です。
2周目:選択肢の理由を説明する
2周目では、正解を覚えるだけでなく、次の点を説明できる状態を目指します。
- なぜその選択肢が正解なのか
- ほかの選択肢はなぜ不正解なのか
- 問題文の条件が変わったら答えも変わるのか
AWS SAAでは、似たサービスの使い分けを理解することが非常に重要です。
3周目:時間を意識して解く
本試験は130分で65問です。単純計算では、1問あたり約2分しかありません。
3周目では、問題文から重要な条件を素早く見つける練習をしましょう。分からない問題に時間を使いすぎず、見直し用にフラグを付ける判断も必要です。
問題集を使ったおすすめ勉強法
ステップ1:AWSの主要サービスを学ぶ
まずは、EC2、S3、VPC、IAM、RDS、ELB、Auto Scaling、Route 53、CloudFrontなど、頻出サービスの基本機能を学びます。
最初から細かい仕様をすべて覚える必要はありません。
「何を解決するサービスなのか」「似たサービスと何が違うのか」を優先しましょう。
ステップ2:分野別の問題を解く
知識を一通り学んだら、セキュリティ、ストレージ、データベース、ネットワークなど、分野別に問題を解きます。
間違えた問題は、サービス名だけでなく、判断できなかった理由を記録してください。
ステップ3:公式ドキュメントで確認する
問題の解説だけで理解できない場合は、AWS公式ドキュメントで仕様を確認します。
特に、次のような比較は自分で表にまとめると効果的です。
- S3とEBSとEFS
- RDSマルチAZとリードレプリカ
- SQSとSNS
- CloudFrontとGlobal Accelerator
- セキュリティグループとネットワークACL
- Gateway EndpointとInterface Endpoint
ステップ4:本番形式の問題を解く
最後は、分野がランダムに出題される模擬問題に挑戦します。
初見の問題で安定して合格圏に入れるかを確認しましょう。答えを暗記した問題で高得点を取れても、本番対応力が身についたとは限りません。
AWS SAAの問題演習でやってはいけないこと
答えだけを丸暗記する
問題文と正解の組み合わせだけを覚えても、条件を変更された問題には対応できません。
正解の根拠と、不正解の理由まで確認しましょう。
古い情報だけで勉強する
AWSサービスは継続的にアップデートされます。古い試験バージョンを前提にした教材だけでは、現在の試験範囲とずれる可能性があります。
教材を選ぶ際は、SAA-C03に対応しているか確認してください。
苦手分野を放置する
SAA-C03は総合得点で合否が決まりますが、特定分野を丸ごと捨てると合格が不安定になります。
試験結果は100~1,000のスケールドスコアで示され、合格基準は720点です。分野ごとの正答率ではなく、試験全体で合格基準を満たす必要があります。
不正なダンプ教材を利用する
「本番問題がそのまま出る」などと宣伝する教材には注意してください。
AWS認定試験の内容を不正に開示した教材の利用は、AWS認定プログラムの規約に抵触する可能性があります。正規の学習教材や、試験範囲をもとに独自作成された模擬問題を選びましょう。
AWS SAAの過去問に関するよくある質問
AWS SAAの本物の過去問はありますか?
AWSは本試験問題を一般公開していません。AWS公式のサンプル問題や、試験ガイドに準拠したオリジナル模擬問題を利用するのが安全です。
問題集だけでAWS SAAに合格できますか?
AWSの基礎知識がある方なら、問題演習を中心に合格を目指すことは可能です。ただし、正解だけを暗記するのではなく、不明点を公式ドキュメントや教材で補完する必要があります。
問題集では何%取れれば受験できますか?
教材によって難易度が異なるため一概にはいえませんが、初見問題で継続的に80%前後を取れる状態が一つの目安です。暗記済みの問題だけで判断しないようにしましょう。
AWS未経験でもSAAに合格できますか?
未経験から合格することも可能です。ただし、サービス名の暗記だけでは難しいため、AWSマネジメントコンソールや無料利用枠などを活用し、実際の構成をイメージできるようにすると理解が深まります。
SAA-C03ではどのサービスが重要ですか?
EC2、S3、IAM、VPC、RDS、Aurora、DynamoDB、ELB、Auto Scaling、Route 53、CloudFront、Lambda、SQS、SNS、KMSなどは優先的に学習したいサービスです。ただし、対象サービスは変更される可能性があるため、AWS公式の試験対象サービス一覧も確認してください。
まとめ:AWS SAAは質の高い問題演習が合格への近道
AWS SAAでは、本試験問題が公式の過去問として公開されているわけではありません。
しかし、SAA-C03の試験範囲に対応した問題を繰り返し解き、次の状態まで理解を深めれば、合格に必要な判断力を身につけられます。
- 正解の根拠を説明できる
- 不正解の理由を説明できる
- 類似サービスを使い分けられる
- 問題文から重要な要件を抽出できる
- セキュリティ・可用性・性能・コストの優先順位を判断できる
AWS SAA対策では、インプットに時間をかけ続けるより、問題を解いて不足している知識を補う学習方法が効率的です。
「本番を想定した問題を数多く解きたい」「知識を身につけるだけでなく、問題を解く力も鍛えたい」という方は、以下のSAA-C03対策問題集を活用してください。
AWS SAA-C03対策問題集はこちら
SAA-C03の合格を目指す方向けに、問題演習を通じて重要サービスと出題パターンを学習できる対策問題集を用意しています。
試験前の総仕上げや、苦手分野の発見にも活用できます。
